痴呆と老人の心理
人間の記憶と言うものは、客観的な事実とは無関係。 各々のライフスタイルで、作られています。 ある事実をどのように解釈したかが、その人の記憶です。 老人・痴呆の人の記憶が明らかに間違っていても、否定しないことが大事です。 年をとると、自分の都合の良いように、記憶を書き換えて行くものですから。 |
痴呆《原因疾患》 | ||
《脳内疾患》 | 《二次的脳障害》 | |
●アルツハイマー型 ●脳血管性障害 ●脳外傷・脳腫瘍 |
●中毒(アルコール性痴呆症・一酸化炭素中毒) ●自殺未遂 ●代謝障害(栄養失調・一人暮らし老人・ビタミン不足) |
痴呆の無意識の目的/心理的法則《原因》 | |
病気は、肉体的なもので、精神や性格は関係ないと思われていましたが、実際は病気には目的があります。心理的・身体的が急激な環境の変化に対応できないために痴呆は起こってきます。つまり、マイナスの現実から逃れたいという、目的があるのです。 痴呆は、人生のプレゼントです。 「しなければならない」ということからの、解放でもありますから。 痴呆になりやすい性格としては、失敗してはいけないと思い込んでいる人。目的達成型の人。こういう人は、老化によって、自分のマイナス条件が増えて行くことから、今を見たくない、という現実逃避が始まります。 |
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老化をマイナスと見る原因は | |
●肉体的機能の衰え ●経済的な不利を感じる ●第一戦から退く(社会的な地位が無くなる) ●両親・家族・伴侶・友人を喪失する孤独感 |
《もの忘れ》 | 《痴呆》 | |
●体験の一部を忘れる ●失見当がない ●自覚がある(ボケたなぁー) ●進行しない |
●体験のすべてを忘れる ●失見当がある(まだらぼけ) ●自覚がない ●進行する(妄想・幻覚) |
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※失見当とは、意識障害のこと。どこにいるかわからない、会った人が誰だかわからない、などです。 ※周辺症状・・感情の障害(被害的・懐疑的・うつ状態)感覚への障害(味覚・臭覚・触覚)。自発性の低下。意欲の減退。発語の減少。行動異常。幻覚・妄想・徘徊。収集のクセ。退食。性的異常行動。 ※65才のボケ出現率は4〜5%。85才では25%(4人に1人) ※痴呆は左脳がダメになる傾向があります。左脳は分析的・言語能力の部位です。右脳が活発な人はダメージが少ないと言えます。右脳は、本能・プライドの部位です。また、右脳的性格の人は痴呆になりにくいようです。 |
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痴呆・老人の対策 | |
●間違っても否定しない ●すべてを肯定してあげる ●そして、関心を他の方へ向けて行く。受容の仕方が悪いと復讐ボケに向かうことも あります。 ●生の注目をするできていること、やっていること、すでにあるものに注目する。 相手に関心を持っていることを、言葉で、態度で表現する。 |
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「ごはんを食べていない」発言の意味 | |
老人にとっては食事は家族とこころの交流を表わしています。 お昼は美味しかった?今度は何を食べたい?などの会話を相手に印象づけるようにしていくといいでしょう。 さっき食べたでしょ、などと否定の方向に誘わない。 |
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「お金が無くなった」発言の意味 | |
お金は能力を表わしています。大事なものが失われて行くことへの不安やあせりが元にあります。それを言う事で注目・関心をかいたいということかも知れません。攻撃しているかもしれません。 居場所を作ってあげ、役割を与える事で安心感を得ます。 |
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「死にたい」発言の意味 | |
「こっちを向いて、さみしいよー」だと思ってください。 言えばいつでも振り向いてくれると思うと、何度も言うようになりますから、その言葉に大袈裟に反応しないこと。 |
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進行の状態 | |
1,健忘期(もの忘れが激しく、何度も同じ事を言う) 失語症になったり、オーバーな作り話しが多くなる。 作り話で自分の自尊心を守ろうとしている状態なので否定しない。 2,混乱期 情報をキャッチできない。妄想・幻覚・徘徊がある。 3,終末期(寝たきり) |
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老人の心理 | |
●若い頃のライフスタイルがむき出しになってくる傾向がある。 立て前で飾り立てるだけの余裕が無くなってくるんですね。 ●自尊心が傷つきやすくなる。 自分に自信がある時は耐えられる事も、自信が無くなってくると傷つくので、 自己防衛をして対抗しようとします。 ●情緒的な変化(孤独・不安・あせり)が強く出て来る。 老人になるということを、人生経験豊富なこと・人間としての「味わい」として プラスに転換していけば、いいんですよね。 |
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ボケないための日常生活 | |
●老人を独りにさせない(人は人と接触して成長と安心を得る動物) ●いろいろな事に興味を持つ ●社会と積極的に関わる ●家庭内での役割を持つ ●食事に気をつける(偏食・高タンパク・低脂肪のよいバランス・黒ゴマ) ●適度な運動 ●ストレスをためない ※基本的な情緒感情は残っているので快・安心感を大切に。 ※ボケの人やその危険のある人は首の頸動脈の周囲に独特のシコリが あったりします。緊張しているんですね。言ってみれば筋肉で首をしめて いるのと同じ事です。で、脳への血流が極度に悪くなっているのです。 |
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記憶について | |
※人間は2歳くらいまでは記憶力がありません。失敗をしてもそれを忘れる事で、体験することを臆する事がないように、セットされているからです。転んで「痛い」という思いが強く残っていたら、転ぶ事を怖れて体験しようとしなくなります。しかし、「痛い」という思いは、無意識の中にしまい込まれて行きます。必要のあるものだけを、記憶しているんですよね。なぜ無意識にしまい込むかと言うと、「痛み」というものは、それを感じさせて再生するために起きる機能だからです。 ところで、自我というものは、何歳から持つ事になっているかを考えてみますと、たぶん2歳か3歳だと思われます。 その頃になると、子供はウソをつくようになるんですねー。 これは、自分の心や他人の心が理解できるという証拠です。 |
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●脳血管性痴呆 | |
動脈硬化などにより脳血流量が減少したり、脳血管の各所に小さな梗塞が起こったりすることが原因とされており、日本人の60%がこのタイプです。 明らかに成人病の成れの果て。脳循環改善剤や、脳代謝改善剤が開発され治療に使われていますが、成人病を予防することで、痴呆をさける事も可能でしょう。 中年を過ぎるとコレステロールがたまったり、ストレスを受ける事で血液にねばりが出てドロドロの血液になりますが、これにより慢性内臓疾患から心臓血管疾患、脳血栓さらにはガンの発生となったりします。 |
●30才代から始まるアルツハイマー型 | |
原因も不明で治療も確立されておらず、若い人にも多く見られることから「若年性痴呆」と呼ばれています。大脳そのものが破壊され脳が急速に萎縮して行きます。発病するとその進行は急速で、早い場合は1年、ふつうは2・3年で廃人同様になります。人間の脳は百四十億の神経細胞のかたまりで、平均千三百グラム、一説によると30歳前後から1日十万個ずつの神経細胞が減って行くと言われています。 アルツハイマー病になると普通なら何十年もかかるその減少が数年の間に起こり、とくにその部位は脳の記憶や知能を司るところに集中しています。原因は確定していませんが、老化説、ストレス説、自己免疫説などの可能性が高いので、誰でも罹る可能性があると言えます。 脂質は神経細胞の膜を作る重要な物質ですが、これが酸化して過酸化脂質になると神経細胞は死んでしまいます。身体にはもともと脂質の酸化を防止する酵素SODが備わっていますが、酵素の活性の低下が老化の元凶です。また、患者の体内で起こる現象として、神経伝達物質であるアセチルコリンが減少することはよく知られています。記憶学習に深く関わるアセチルコリンは前脳基底部から出ます。 |
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●成人病対策(腎の強化) | |
血液のドロドロと腎系の不調が成人病といえます。腎系は生命活動の根幹を担っており、その働きは広大です。精力つまり生命エネルギーを司り、私達の身体の80%は水ですが、この水分の代謝を行い、呼吸を司り、カルシウムの代謝をやっています。また、腎が弱ると耳鳴りがしたり耳が遠くなったり、毛髪が白くなったりします。 脳は骨髄液の海に浮かんでいる、と言われるように、骨を司る腎を脳に障害が起きた時には強化賦活することが大切です。 |
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